アキと私〜茜色の約束〜
3rd Quarter
ーーーあ、またあの夢だ。
『うわーんっ!誰か助けて』
大きな木の上で必死に助けを呼ぶ私。
ーーーそうそう、この後。アキが来て…
『茜!』
ーーーほら来たっ!それで、私のとこまで登って来ると涙を拭いてくれて。
『馬鹿だな、茜は。俺が来たからもう大丈夫。ほら、もう泣くなよ』
『ひっく…う、うん…』
ーーーそれで手を繋いで、木から降り始めるんだよね。
『よし!じゃあ茜が怖くなくなるおまじないしてやる』
『怖くなくなるおまじない?』
ーーーえ?いつもの夢と違う…アキ、そんなこと言ったっけ?
『目瞑って』
『うん』
ーーーあ!あれは…
『目開けていいよ』
『これ…私が作ったプロミスリング?』
『これつけてればもう大丈夫。無敵になれるから』
ーーーっっ!
ーーーこの男の子はアキじゃ、ない…