心の奥
高校に入ったばかりの時にはなれなかったこの女子ばかりという空間にも、大分なれてきた頃だ。
でもやっぱり、新しく入ってきた男教師のいやらしい目付きにはなれない。
ほら、あいつも鼻の下のびてるし。
私は4組だからあの人の授業はうけたことないけど、3組のみんなが言ってた。
不潔…らしい。
名前も覚えてないけどね。
授業中、窓の外を見ながら、感傷に浸る。過去の恋を思い出しながら。
〜半年前〜
私には、彼氏がいた。
眞田 尚太
尚太とは、中学のときに少し話すくらいで、仲良くはなかった。
仲良かったのは尚太のお姉ちゃんかな。
中学の終わりから、別れたり付き合ったりを繰り返して、高1の夏に、私は別のひとと付き合った。
逃げました。はい。笑
別れた原因はちょっとした喧嘩。私がガキだったから、すぐ別れるって言ってた。
ばかだよね。知ってる。
でも、次付き合った人ともすぐおわったっけ。
そんなことを考えてるうちに、もう授業は終わっていた。
「優奈帰ろ!!」
「今日も疲れたー」
奈央と梨佳とは高校に入ってから仲良くなった。
学校ではいつも3人でいる。中でも奈央とはいちばんなかいいって思ってる。
奈央は可愛いくて、男女からモテる。人見知りで、頭が良い。
学年1位だ。
梨佳も可愛い。でもちょっとたまに意味のわからないことをする。私はちょっと苦手かな。ねはいい子…な、はず。
梨佳も頭が良い。
この日も同じように3人で電車に揺られて帰る。
最初に奈央が降りて、次に私。最後は梨佳。
当たり前になった日常
いつもと変わらずに同じことをする。
みんなではしゃいで、授業を受けて、一緒に帰って。
そんな中、私の中で何かが壊れていった。
平凡で良いはずだった。
もう二度と後悔するようなことはしたくないって
あんなに涙して誓ったはずなのに。
もっと楽しいこと、新しいものを求めすぎた罰かもしれない。