天国への切符
「本当のお前は、今みたいな奴じゃねーって俺は思ってるから」
「何がだよ…」
「だから…これ以上ガッカリさせないでくれ」
吉岡はそう言うと、また背中を向けて進んでいく。
…何なの…
訳分かんねーよ…。
だんだん小さくなっていく吉岡の後ろ姿。
それが見えなくなると、あたしはキュッと唇を噛み締めた。
悪かったと…思ってるよ。
美波のこと、嫌いなわけじゃないんだ。
でもあたしは…
美波みたいになりたくない。
グループから外れたくない。
みんなと一緒にいたい。
ただ…笑っていたいだけなんだ。