天国への切符



「あれ?サエは?」




いろんなことを考えながら翌朝登校した。

だけど珍しくサエの姿がなくて。




「んー、まだ来てないみたい」

「遅刻かなー?」



聖子とノアも不思議そうに時計を見ていた。


もうすぐチャイムが鳴ってしまう。

サエが遅刻?珍しいこともあるものだ。


サエはいつも登校時間が早い。

あたし達の中では毎日一番に登校しているのに。


不思議に思いながら時計を見つめていると、すぐにチャイムが鳴り響き、先生が教室に入ってきた。



「小林は遅刻か?」


そして出欠を確認していた先生と目が合ったあたしはサエのことを聞かれて。


「分かりません」


答えながら、誰も座っていないサエの机を見つめた。



先生が聞いてきたぐらいだから、休みってわけではないんだ?


何だか腑に落ちないままだったけど。

一限目が始まってしまい、結局サエが登校してこないまま休み時間を迎えた。



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