天国への切符



どうして焼かれなきゃいけないの?

どうしてそのままにしてちゃダメなの?



頭ではちゃんと分かってる。


そのままにしてちゃいけないことくらい。



でも…お母さんの体がこの世界から消えてしまうことを、どうしても受け入れられなかった。



息があがって、苦しくて。


過呼吸のようにひとりでハァハァ言って。




棺が火葬場に入ってからは、力が抜けてその場から動けなくなった。



「…や…めてよ……消さないでよ…」



…声にならない声で、そう言うだけで精一杯で。


何を言っているのかも自分で分からないくらい…ただずっと、出てくる声を漏らし続けた。


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