天国への切符



「お前らどこ行ってたんだ!」



一限目が終わるチャイムが鳴り、五人揃って教室に戻っていると、担任の先生が教室前の廊下で血相を変えて怒鳴ってきた。



「ごめん先生!生理なっちゃってトイレにいた」

「私も!」



聖子とノアにつられて「あたしも」と言うと、先生は気まずそうにそうか、と苦笑いを浮かべて。



「二時間目からはちゃんと授業出るんだぞ?」


あたし達ひとりひとりの顔を見てそう言った。


はーい、と返事をしたあたし達は、それからひとりひとり、教室の中に戻る。



すると、賑やかだった休み時間の教室が、すぐに静かになっていった。


そりゃそうだよね…

あんなことになって教室を飛び出したまま、あたし達五人は一限目にも出ないままで。


どうなってんだって思うはずだよね。





「おい!サボり五人組!」



えっ…?



「どこでサボってたんだよ、外か?」



だけど、その声で空気が変わっていくような気がした。



「そ、外だけど」


「だろうなー、五人揃ってこのへんが真っ赤だぞ?」



そう言いながら自分の頬を指差して笑ったのは、吉岡だった。



「こんな寒い日に外でサボりはきつくね?」

「本当、教室で寝てる方がマシだぞ⁉︎」



そしたら渡辺も、佐々木も。



「そうだよ、風邪ひいちゃうよー⁉︎」


「ストーブあたったら?」


中川さんも、長谷川さんも。


次々に声をかけてきてくれた。


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