天国への切符



「存在がウザいっていうかさー」


大きなサエの声は賑やかだった教室の空気を変えていく。


「マジ消えろって感じ」


吐き捨てるようにそう言ったサエは、ゆっくりと美波に近付いていく。


そして。


「いつ消えてくれるの?」


美波にそう聞くサエの姿を、あたしは今日も見ていることしか出来ない。

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