彼の命日。

今年で高校3年生の私は、それほど学校と離れていないところに家がある。
今の学校も家から近いから選んだのだ。


「ただいまー…。」


玄関でそう言うと、ダダダッと廊下をこちらに向かって走ってくる足音が聞こえた。


「ののちゃん!!」


「わっ!」


いつものように私に突進してきたのは、妹の「このか」だった。
妹、とは言っても片親が違うから「本当」のではない。私のお母さんが再婚した今のお父さんとの子どもが、このかだった。
このかは、小学3年生だから少し歳が離れている。


「このか…飛びついたら危ないよ?」


このかの目線に合わせてやんわりと言った。


「ののちゃんごめんんさい…。」


しゅんとしてしまったこのかの手を取った。


「荷物置いてくるから、このかは靴はいて待ってて?」


「…うん!」


嬉しそうに目を輝かせるこのかを待たせて、私は荷物を置きに部屋に向かった。


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