第3ワープ宇宙局
実技の試験が始まる。
地球上で産まれ育った徹には、きつい試験だった。Gに耐え得るか否か、ぐるぐる回る試験装置に入ってひたすら耐えた。
吐き気が凄く、止まった後が恐かった。

「どうだったんだろ。」
試験を受けた者たちは不安気だった。
装置の中に、自分が限界だと思う時に押すボタンがあるのだ。
合格に達したところで押せたのか、皆溜め息をついていた。
試験の結局発表は次の日だった。
試験場から売店を過ぎ、突き当たりにエレベータがあって、受験者が泊まれる施設が完備されている。真山徹は今日初めて泊まる。
見るからに独房のような本当に何も無い部屋だった。
テレビとトイレとシャワー、ベットに壁に付けられた机があるだけだ。
とりあえず荷物を置いて、徹はテレビをつけた。
地球上でのテレビとは全く違って驚いた。
すべて宇宙飛行士の育成に係わる番組ばかりなのだ。
徹にとっては天国かと思えた。
地球上での宇宙の話は閉ざされていて、
ここまで開けていなかった。
ライマンα天体ヒミコの特集もやってるではないか!
ヒミコに生命がある惑星ができたのか、
今の調査はそこにあった。

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