それでも大好き
5年前
5年前。私、理央はまだ18歳だった。

高校生活も充実していて毎日がキラキラしていた。

恋だってしていた。

だけど、私の恋は許されない恋だった。

「お兄ちゃん、ご飯出来たよ?」

「よし、食べよう!」

私のお兄ちゃん。黒木礼央。

頭がよくて、優しくて、かっこよくて、イケメンですごくモテモテ。

そんなお兄ちゃんが私の自慢のできるお兄ちゃん。

それに比べて私は料理しかできない。

だから毎日私がご飯を作る。

「どう、美味しい?」

「うまいな!この前よりまた腕前上がったんじゃないか〜?」

クスッと笑うお兄ちゃん。

この笑顔には妹の私でも癒される。

私とお兄ちゃんは双子。

お母さんは私たちが小さい頃に家を出て行った。

そのショックでお酒に溺れたお父さんだけど、恋人ができて、今は彼女の方にいる。たまに帰ってくるけど。

「頑張って作ったかいがあったよ」

嬉しくなり食べることを忘れてお兄ちゃんを眺めてた。

「そんなに見ると穴が空くよ」

なんて冗談を言われて笑い合う2人。

こんなに楽しい毎日がいつまでも続けばいいのに……心から思う。
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