豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~
「皆川さんのお陰で、無事に仕事をこなすことができました」
「はあ……」
「正直、佐田の体型が変わり始めた時、いくつかの仕事をキャンセルして、元に戻さなくてはならないかも、と覚悟したんです」
「そうですか」
そりゃそうだろう。
随分ふくらんでたから。
でも、事務所は全部知ってたんだな。
光恵は話を聞きながら、ぼんやりとそんなことを考えた。
「大変に申し訳ないのですが、この一ヶ月間お二人のことを見させていただきました」
「そ、そうなんですか?」
「どうやら……佐田はあなたに随分と依存している」
「……」
志賀は笑顔を崩さず、話し続けた。
「わたしはこれまで、本当にたくさんの、才能ある人たちを見てきました。でも、今もこの業界で働き続けていられるのは、そのうちのほんの数名。芝居がうまいだけでは、駄目な世界です」
光恵は黙って頷いた。
「俳優という仕事は、彼という存在がすべてです。演じるだけではなく、自身が営業して、宣伝する。そうでなければ、仕事をもらい続けることはできない。一度有名になったからと言っても、保証はありません」
「はい」
「自分自身を管理して、生活して行く。それがどうしても必要になってきます」
「はい」
「体型が変わるたび、心が弱るたび、あなたのところに逃げていては、とても仕事を続けられないんです」
「……はい」