豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~


ちょっとした休憩時間。
スマホを見ていた輝が、「うわあ」と声をあげた。


「おい、なんだよ」
役者達が一斉に輝のスマホに集まった。


「佐田さんの新しい映画の予告編出てるんですけど」
輝がスマホの画面を、皆の目の前に差し出す。


「うわ、すげー」
「おい孝志! なんだよコレ!」
みんな、興奮して声を上げている。


呼ばれた孝志は「しまった」というような顔をして、それから「あんまり見ないでくださいよ」と言った。


「見るなって言われてもなあ、目が離せん」
「男の俺でも、ちょっと汗かいてきた」
「すげー、お前役得だな」
「おい、ミツも見てみろよ」
一人が光恵を手招きした。


光恵は不安な気持ちを隠して、笑顔を見せる。


「遠慮しときます」
「何言ってんだ、おい、ミツ来いよ」


腕を引っ張られて、光恵はスマホの前に引っぱりだされた。

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