豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~


「おはようございます」
輝が立っていた。


「二日酔いですか?」
顔をしかめて、頭に手をやる光恵を見て、心配そうに輝が訊ねた。


「……うん……輝くん、昨日はわたしに付き合ってくれたんだよね」
「はい。ここまで送りました」
「ありがとう……ございます」
光恵は深く頭を下げてから「いたっ」と声をあげる。


「これ、買ってきました。それから頭痛薬も」
輝が二日酔い用にドリンクを差し出した。


「なんて用意がいいの?」
「だって、すっごい飲んでたから」
輝が明るく笑う。


「ごめんね、付き合わせちゃって」
「いいんですよ、楽しかったです。絶対に倒れてると思ったから、迎えに来ました。一緒に稽古場行きましょう」
「うん、ありがとう。支度するから、ちょっとここで待っててくれる?」
「はい」


光恵は部屋に戻ると、ドリンクを一気飲みした。頭痛薬を口にいれ、シャワーを浴びる。


「よし、負けない。仕事するぞ!」
滝のように流れる水の中で、光恵は拳を作り声に出した。

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