secret act Ⅰ
翔貴さんは体を少し捩り、何も言わないまま私をじっと見ている。
──視線をそらすタイミングがわからない。
深夜1時。
明かりはベットライトのみ。
周りの音はエアコンだけ。
翔貴さんに聞こえてるんじゃないかと思うほど、私の心臓はあり得ないぐらい激しく動いている。
「..........」
『..........』
どれぐらい黙ったまま見つめあっていたのか、先に視線をそらしたのは───私だった。
黙ったまま見てくる翔貴さんに心臓が耐えられなくなった。
そして、それを待っていたかのように翔貴さんの手が私に伸びていた。