青春オレンジ
青春page1
もう、最悪
「あんた、あたしの悪口言ったんだって?」
吐き捨てられるように言われた。
放課後に残ってて、という意味はこれだったんだ。
「なんとか言いなよ、まりね。」
それでも私は黙り続けた。
黙ったまま、彼女――由香の後ろに立つ莉子を見据えた。
すると莉子は私の視線に気づき、慌てて目を逸らした。
事実、私は悪口を言った覚えはない。
むしろ、一昨日由香と喧嘩した莉子の悪口を聞いてあげたくらいだ。