13年目のやさしい願い


「陽菜ちゃん、今度、デートしよう!」

「するか、バカ!」

「あんたに言ってないだろ?」

「あんた言うな、先輩に向かって!」



呼び出されたのも話しかけられていたのも、わたしのはずなのに、

わたしは一言も話さないままに、会話は終わる。

昨日は、好きなものは何かとか、嫌いなものは何かとか聞いていて、

その前は、休みの日は何をしているの……だったかな?

いずれにしても、どれも答えるのはカナばかりで、わたしが答えることは、まったくなかった。



「ハルちゃん、モテるね~」

「1年は去年の世紀の大告白を知らないからね~」

「叶太、負けるな!」



そんなヤジが飛ばされる。

カナは、教室の中に向き直って、



「負けるか、バカ」



とムッとした顔で答えて、



「そりゃ、失礼」



なんて、かえってニヤニヤ笑われていた。


< 67 / 423 >

この作品をシェア

pagetop