無表情彼氏の思惑
「転校生がくるらしい」



急にそんなこといいだしたのは、中学生時代の知り合い、森脇 帝だ。髪を赤色に染めた姿はいかにも不良で近寄りがたい。本人は喧嘩が強いらしいが本当かどうかはわからない。ヘラヘラしてるし、どうせ雑魚だろうけど。



「へー」



それだけ言って私はスマホの画面を再度みた。が、帝はそれをひょいと奪い去る。



「ちょっと俺の話聞いてるー?」



「聞いてるってば」



スマホを取り上げ顔を睨みつける。彼の口調は怒ってはいたけど、顔は平然としている。私がどんなに冷たくしてもコイツはいつもこの調子だ。



「マゾ」



「は?」



帝が眉毛をあげたが私は無視した。



「転校生かぁ~……なんかさ、美男美女とか期待しちゃうよね~~……」



そう幸せそうに微笑んでいるのは帝の親友の八幡 ミサキだ。
ふわふわした栗色の髪の毛で、性格もどこかメルヘンな雰囲気だ。これでも一応不良なんだけどね。



「乳でかいネーチャンでも来ないかな~~。お前のちっせえ乳は見飽きた」



ゲラゲラ笑う帝の頬を私は思いきりつねあげた。



「ああいだだだだぃだいぃだいでずぅ~~」



「そういうのって自業自得って言うんだよ帝~」



ミサキはそういってフワッと笑った。行動がいちいち可愛らしいヤツだ。



彼の笑顔は見てて幸せになれる、けど、同時に胸の奥がずきっと痛んだ。



遠い昔を思い出して。
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