無表情彼氏の思惑
「意味わかんない……」



私はあれから教室を飛び出し、屋上へ飛び込んだ。本当は鍵かかってんだけどね。なぜか帝が合鍵を作ったのだ。多分、正当な方法で手に入れたものではないだろう。



足音が聞こえたので扉を見ると、帝が立っていた。私に向かって微笑んでいる。



帝はどっこいしょと私の隣に座った。爺かお前は。



「一時間目、終わったんだけど」



そんなに時間が経ってたのか。私は少し驚いた。十分程度だったと思っていたからだ。帝はなぜか遠慮がちに話す。



「あの日向って転校生、むちゃくちゃ頭がいいんだよ、本当。なんでこんな高校なんか来たのかね? 身なりからして不良ってことはねーし」



「さあ? てかなんで追いかけて来たの?」



低い声で私は帝を睨みつける。



「だって…………走って逃げるなんてテメエらしくねえなと思って。ああいいことしてきたヤツは全員ぶん殴ってたじゃん?」



帝にそう言われて私は唇を噛んだ。たしかに私らしくない。なんか変な気分だ。



「うるさい」



何も言えなくなってそれだけ言い返した。帝は溜め息をついて少しにやけながら「可愛くねえなあ~~」と大袈裟に言った。



「わかってるよ、そんなこと」



帝の肩を軽く叩いて言った。
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