氷がとけるように。
「山下、格好いいな」


前を見たまま工藤が言った。


「格好いいよね」


「即答だな」


「だって頑張ってる人は格好いいでしょう」


さっき工藤が言った言葉を引用して答える。


「俺が頑張ってても格好いいと思うか?」


突然何を言い出すのよっ。


「…たぶん思うんじゃない。頑張ってる姿見た事ないけど」


言いづらい答えに冗談混じりに言う。


「頑張って応援してるだろっ」


ムキになって言う工藤に可笑しくなる。
格好いいって思われたいのか?


「くどうくん、かっこいー」


あからさまな棒読み口調。


「全然気持ちが入ってないお言葉ありがとうございます」


「どういたしまして」


他愛もない話をしながら観戦した。










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