依存症人生1

公認の浮気

春が来て、いよいよ別れの時が来た。

私は4県またいだ遠くの大学へ、
彼は、地元の専門学校に無事合格した。

遠距離恋愛の始まりだ。

寂しい反面、
憧れの一人暮らし、
大学生活のスタートと
ワクワクするものもあった。

早速、バイトを見つけた。

堂々と水商売ができる。(笑)

隣町のスナックで働き始めた。

当時は携帯にメール機能とかなくて

話放題とかも、学割とかもなくて

二人の電話代は毎月、
あわせて6~8万かかっていた。

そんな時、大輔が同じ学校の子に
コクられたと聞かされた。

私は年上ぶって…
余裕の態度で、

「本気にならなければいいよ、
やるだけの相手にできるならね。」

まさか、
真に受けるとは思わなかった。

でも、乗り気な彼を止めることも
むなしかったんだ。

もうひとつ条件をつけた。

浮気相手と何があったか
隠さずに報告すること。

こっそりやられるより
真実を知りたかった。

信じて裏切られるぐらいなら
公認で裏切られる方がマシだった。

大輔は、その女とやったこと…
相手が処女だったことを
得意気に話してくれた。

自分で良いよと言った手前、
何も言えなかったが、
心が折れそうだった。

しかし、だんだんと…
どうも二人は本気っぽく
なってきたように感じた。

大輔は『そんなことない。』と
否定したが
「じゃあ、終わりにして。」と
言うと、かなり渋っていた。

「約束が違う、女の連絡先教えて」

彼は、それを拒んで
最後は自分で決着をつけた。

「アンタに浮気は無理だ。
やっぱり、浮気は、もうなし!」

しかし、私はまだ、知らなかった。

バレなくても
イイコにしている私とは
反対に…
彼は、離れたらダメな男だった
ということを…。

遠距離恋愛は…
浮気地獄のスタートだった。
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