~天使ロード~
「お味の方はどうですか?」


「とても美味しいです!」


「良かった」


「うっ、池治先生…
ひっ、ひっく」


私は涙が止まらなくなった。

何で池治先生は、お父さんが作ってくれた卵がゆの味を知っているの?


これはただの偶然なのかな・・・


「食器はそのままにして置いてください!
では私はこれで」


池治先生はそっと私にテッシュを差し出すと、そそくさと寝室から立ち去ってしまった。


私は池治先生が置いていったテッシュを片手に、わんさかと泣き叫ぶ。




うぅ~お父さん



明日お父さんに会えるのに………




でも明日会ってしまったら、もう二度と会えなくなる。

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