極彩色のクオーレ
少年は立ち止まり、足元を見下ろした。
そこには道の幅と同じくらいの、大きな陶磁器製のタイルが埋まっていた。
淡い紅色をしていて、表面はピカピカに磨かれている。
今まで踏んでいた地面とは明らかに異なる感触で、このタイルの存在に気づけた。
少年は屈みこみ、うっすら自分と空が映るタイルを撫でてみる。
「劣化と破損防止のコーティングですね。
このキラキラしているのは……珪酸塩鉱物、でしょうか?
こんなに趣向を凝らしたもの、どうして道のど真ん中に……」
つ、と前に視線を向けると、このタイルのすぐそばに別のタイルが埋め込まれていた。
こちらも材質や加工は同じようで、異なるのは色と大きさ。
その先にも、さらにその先にも、タイルがきれいに並べてある。
大きさは少年のタイルから離れるにつれて小さくなっていき、すべて道の右側に寄っている。
そして一番遠くにある碧色のタイルは、脇に入っていた。
まるで、こちらに進めと誘導しているかのように。
「もしかして、これが『目印』?」
少年は立ち上がると、一枚一枚タイルを踏んで歩いた。