極彩色のクオーレ
街に到着してティファニーがまず向かったのは、街の西側、民家が連なる一角だった。
籠の中身は、この一帯の主婦からの依頼物らしい。
「依頼主はどこにいるんですか?」
民家に挟まれた道に差し掛かって、少年はきょろきょろ辺りを見回した。
「えっと、今日は6人……」
「6人も?」
「うん。ここに住んでいる人達は、みんなでまとめて持ってきてくれるの。
みんな一週間待ってくれるし、お届けしやすくて助かるわ」
ティファニーは杖の先で地面の感覚を確かめ、目的の家を探す。
途中の段差で躓き、少年が支えなければ危うく転んでしまうところだった。
気を取直して、ティファニーはドアをノックする。
中から大きな声が返ってきて、バタバタと室内を走り回る小さな音が聞こえて、ドアが開いた。
「あっ、ティファニーだ!
ママ、ティファニーが来てくれたよー!」
顔を出した小さな女の子が、嬉しそうに母親に叫んでティファニーの足元にとびついた。
ティファニーは杖をうまく使い、倒れないようにする。
奥から母親である、恰幅のよい女が出てきた。
「こら、ルビ!そんなところで遊んだら危ないでしょう。
こんにちは、ティファニーちゃん。
ルビが驚かせてごめんね」