極彩色のクオーレ
「あれですか?」
「うおっ!?」
男たちはひどく驚いた様子で少年に近づき、3頭の獣をみてさらに吃驚した。
「うわあっ!こっ、これ、ブルムだ!!」
「しかも3頭……全部、君が仕留めたのか?」
「まぁ、そうですけど……」
「一人で?」
「はい」
青年たちの問いに少年はコクンと頷く。
額に浮かんだ汗を拳で拭い、男はまじまじと少年を見つめた。
「こりゃあ驚いた、稀に見る肝っ玉だ。
助かったよ。このスダックは生け捕りして、これからルースに持って行く途中だったんだが、檻の中で暴れまくってな。
荷車ごと檻をぶっ壊して逃げ出しやがったんだ。
見つけてくれたのが坊主で良かったよ」
「ルース?ルースに行くんですか?」
「ああ。……ははぁん、おまえさん、道に迷ったんだな」
「ええ、ブルムでしたっけ?
あれに追いかけられたせいで」
少年の言葉に、ガハハと男が笑う。
それから、3頭のブルムを顎で指した。
「うちの商品を捕まえてくれた礼だ。
ルースまで乗せてってやるよ。
けっこうな金で売れるブルムも一緒にな」
「本当ですか?」
「ああ、狩猟頭の俺が言うんだ、遠慮しなくていいぞ」
彼だけでなく価値を知る者は揃ってブルムを資金源と言うのだが、少年にとっては疫病神以外の何者でもない。
正直な所どうでも良かったが、目的の街まで連れていってもらえるのはありがたかった。