私の意地悪な旦那様


「えっと、あの……?」

戸惑いと、嫌な予感が身体中を駆けめぐる。


一歩、私の方へと近づいてきたその青年に、私は反射的に一歩退いた。

「……なんで逃げるの?」


心底不思議そうに聞いてくる青年を前に、体が震える。

それでも竦む足をなんとか動かして家の奥へと逃げ、押し入れの中へ隠れれば、ゆっくりとした足取りでこちらの方へ近づいてくるのがわかった。



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