私の意地悪な旦那様
唇が離れると、恐る恐る目を開ける。
先輩の方を見上げれば、私を見つめていた先輩と目があった。
「観覧車のてっぺんでキスしたら幸せになれる、だっけ?」
「えっ、あっ、はい」
ちゃんと聞いててくれたんだ。
きゅん、と胸の辺りが疼く。
「まぁ、幸せにするんだから、なれるに決まってるよね」
窓の外を見ながらぶっきらぼうに言った先輩。
その耳がほんのりと赤く染まっていることに気付いた私は「………はい」と微笑みながら頷いた。