私の意地悪な旦那様
「何やってんの」
「あ、織部じゃん。めずらしっ!でもでもこの子は俺が先に見つけたんだからねーっ!」
何を勘違いしてるのか「ねーっ?」と莉乃に同意を求めている須藤。
莉乃は莉乃で俺を見てからぴくりとも動かない。
大方、いきなり現れた俺にさっきまでの状態が見られていたことを察して慌てているんだろう。
いつまでもバカ騒ぎしている須藤を無視して、莉乃の方へと目を向ける。
「いつまで固まってんの。行くよ」
そう言えば、莉乃は急いで立ち上がると、先に歩いていた俺の後をパタパタと音を立てて追いかけてきた。