私の意地悪な旦那様
「何にやにやしてるの。気持ち悪い」
気付けば功希が帰ってくる時間だったらしく、さっきまで思い出に浸っていた私はなんだか無性に功希に抱きつきたくなった。
「……ちょっと、功希と付き合えた時のこと思い出してた」
「あの頃の功希にはどきどきさせられっぱなしだったんだよー!」と功希の背中に手を回しながらふざけて言う。
「……ふーん」
薄い反応。と思って上を見上げれば、いきなり濃厚なキスが落ちてきた。
「……っふ、ちょっ、功希……!」
距離を取ろうとするけれど、私の背中に回った手によってそれは叶わない。
酸欠になりつつある頃、ようやく功希は私を解放してくれた。