ひだまりシュガー ~イケメン達の秘密ノート~
上機嫌で走ってきてくれた王子は、そう言って軽やかに歩き出す。
私は、変な胸騒ぎがして、少し離れて後ろを歩く。
「先言っとく。これが最後のデートな・・・これ以上お前が俺のこと好きになったら、困るから・・・」
私の嫌な予感は的中した。
困る・・・
それが王子の優しさなんだね。
私をこれ以上苦しめたくないんだね。
私の気持ちには応えられないってことだよね。
「最後のデートは・・・悲しすぎるから、やめときます!!また、次に取っておきます!!」
私は無理して頑張った笑顔を王子に向けて、クルリと反対方向を向き、走り出した。
随分走った所で、やっと自分の涙に気付いた。
王子は、追ってくるはずがない。
そう思って、涙を拭ったときだった。
突然後ろから抱きしめられた。