10円玉、消えた
くそっ、なんてこった。
母さんもそうだけど、カッちゃんも俺を裏切りやがった。
俺が店を継ぐ気があるってのを知ってるくせに。
やっぱあいつは信用できないヤツだった。
またしても薫のカンが当たっちまったようだ。
まあいいや、こんな店。
これで俺のラーメン屋の道は閉ざされた。
あの爺さんの言う通りなら、あとは会社員になるしか成功の道はないってことだ。
会社員か…
つまらない人生になりそうだな。
やっぱり嫌だ。
会社員になるなんて。
たとえそれで成功するとしても、俺は他の道を選びたい。
やっぱり俺には漫画しかないんだ。
よし、一丁やってやる!
「え!ホントに譲っちゃったんだ、あの人に」
竜太郎から店のことを告げられた薫は、そう言って嘆く。
「全部薫の言った通りになっちまったよ。カッちゃんもとんだ裏切り野郎だ」
竜太郎は呆れ顔を見せた。
「お店継げないんだったら、竜太郎はどうすんの?」
「東京に行って働きながら漫画家を目指すさ。あんな家、一日も早く出たいからね」
「そっか、なら私も東京行こっかな」
「ああ、卒業したら一緒に行こうぜ、薫」
「うん」
薫は愛らしい笑みを浮かべた。
母さんもそうだけど、カッちゃんも俺を裏切りやがった。
俺が店を継ぐ気があるってのを知ってるくせに。
やっぱあいつは信用できないヤツだった。
またしても薫のカンが当たっちまったようだ。
まあいいや、こんな店。
これで俺のラーメン屋の道は閉ざされた。
あの爺さんの言う通りなら、あとは会社員になるしか成功の道はないってことだ。
会社員か…
つまらない人生になりそうだな。
やっぱり嫌だ。
会社員になるなんて。
たとえそれで成功するとしても、俺は他の道を選びたい。
やっぱり俺には漫画しかないんだ。
よし、一丁やってやる!
「え!ホントに譲っちゃったんだ、あの人に」
竜太郎から店のことを告げられた薫は、そう言って嘆く。
「全部薫の言った通りになっちまったよ。カッちゃんもとんだ裏切り野郎だ」
竜太郎は呆れ顔を見せた。
「お店継げないんだったら、竜太郎はどうすんの?」
「東京に行って働きながら漫画家を目指すさ。あんな家、一日も早く出たいからね」
「そっか、なら私も東京行こっかな」
「ああ、卒業したら一緒に行こうぜ、薫」
「うん」
薫は愛らしい笑みを浮かべた。