戦乙女と紅~東方同盟の章~
確かに。

俺でさえ乙女に一撃入れようと思えば相当な傷を覚悟せねばならぬ。

獅子王がどれ程の武術の腕か知らぬが、完全な防御にまわった乙女には傷一つ付けられはすまい。

「くれぐれも用心しろ。奴は危険だ」

「わかっている。紅は心配性なのだな」

そう言って乙女は玉座を立った。

「今日は少し疲れた。もう休む事にする」










そう、乙女ならば傷一つ付けられはすまい。

心に何の迷いもない、いつもの乙女だったのならば…。









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