甘い唇は何を囁くか
けど、お父さんはその答えに満足したみたい。

まぁ、嘘をつきそうには見えないものね・・・シスカは。

何ていうの・・・?

気品とか?

上級者の匂いがあふれ出してる。

これは、シスカの生まれもったものなんだろうな。

現代の一般人からヴァンパイアになった私とは大違いだよね。

お父さんとお母さんとの久しぶりの対面もそこそこに、私たちは宿泊してるホテルに戻った。

シスカが手配してくれた三ツ星ホテル。

確かにどうやってこんな高級ホテルに泊まれるのか―、って疑問は捨てよう。

何百年も生きてきたシスカには、それなりのパイプってものがあるようだから。

けど、人間の香りよりもシスカの香りの方が食欲を誘うっていうのは・・・

ヴァンパイアとして、どうなんだろう。

お互いの身体をぴったりとくっつけてじれったげに部屋に向かう。

その間に、幾つもキスをする。

どうしてこんなに・・・身体を求めるようになってしまったんだろう。

人間だった時には、そんなに好きな方じゃなかったと思うんだけどな・・・。

遼子は舌なめずりして、シスカの碧眼をじっとりと見つめた。
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