secret act Ⅱ
数人の組員に見送られ玄関を出ると車が2台あった。
昨日までは1台...
誰か他に出掛けるのだろうか?
近い方の車に春さんがいて、私達を確認するとドアを開けてくれた。
乗り込み助手席を見ると右京さん。
運転席に春さんが戻ってくるとゆっくり動き出した。
少ししてチラッと後ろを見るとさっき隣に並んでいた車もついてきていた。
「後ろの車には左京達が乗ってますよ。」
声がして前を見ると右京さんがバックミラーで私を見ながら話を続けた。
「──今日、お二人の金額が上がりました。
それに付け加え【裕美に小さな傷でも付けた者には死あるのみ】と、追記されてました。」
それを聞いてゴクッと息をのんだ。
「期限が迫り無茶をするかもしれない馬鹿どもへの警告でしょう。
我々もそれを警戒して"目"を増やして配置してます。」
私を見ていた右京さんの視線はいつの間にか翔貴さんに向いていた。
「フッ..警告だけじゃねぇ。
ターゲットを俺に絞らせる為だろ。」
翔貴さんは分かっているかのように不敵に笑い背もたれに体をあずけた。
「そうですね。
条件もなくどんな状態でもいい方を狙う方が楽ですからね」
2人の会話を聞いていた私はいつの間にか俯いてしまった。