甘美な蜜のプワゾン
右京の家に泊まり込んで今日で5日目。

右京の両親は海外勤務で1年に一度しか帰ってこない為、右京と樹兄弟からいつでも来いと言われていて、太郎はお言葉に甘えて時々泊まりに来ていた。

だが、5日も連日で泊まるのは珍しかった。

「2人ともごめんな……。なんだかんだで長居してるよな」

「それは気にするなと言っただろ?」

「そうだ。何ならタロちゃんここに住めばいい」

「ありがとう……2人とも」

太郎の事情を良く知る2人は、本音でそう思っていた。

太郎自身、その“事情”から逃げているのはよく分かっているが、どうしても向き合う事が出来ずにいる。

早く高校を卒業して、自立することだけが太郎の今の唯一の希望だった。

「あ、そろそろお前ら早く飯食えよ。食ったら送ってくから。まぁ、今からじゃ遅刻は決定だけどな」

「どもです」

インテリ右京に対し、樹は少しチャラい。
よく言えば自由奔放な大学生といったところ。

だけど、とても頭が良く、面倒見もいい樹を右京が尊敬している事を太郎は知っていた。

もちろん太郎もそんな樹が好きだった――。





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