シフォンケーキにラズベリーソース。





「……また……さよな…ら…だね…」


私の言葉に、彼は首を振る。





「…っう…」


泣き止まない彼は、私の左手を強く握る。







「…わたし……しね…なかっ…た…んだね…」







どっちも大切だったから。




どっちも一緒にいたかったから。





どっちも愛してしまったから…。








切るしか、なかったのに…。







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