ストロベリーライフ(来孵)
次の日の朝。
ぼくは寝ぼけまなこで、遅い朝食の準備をしていた。
でか苺をテーブルのうえでゴロゴロころがしながら、朝食の献立などゆるゆる考えていた。

トーストにバターを塗ってオーブンに入れ、かるーく焼き色をつける。
固くなる前の表面カリカリ中しっとりがぼくは好きなのだ。
冷蔵庫からベーコンと卵を取り出して、まずはベーコンをカリカリに焼く。卵を手にとろうとして 「はっ!」とした。
あーーーーーっ!!

ぼくはフライパンの中のベーコンを置き去りにして書庫へ走った。

たしか、あれだ。
書庫はまさにそびえ立つ山だ。。
もはや棚に入りきらない本が床に平積みされて、
あちこちで山になっている。
その本の山をあっちこっちかき分けて、はるか下から緑の鱗模様のカバー本を引っ張り出した。
これだ!!
「世界幻獣百科大図鑑」
葛乃森書房。

あれはまちがいなく卵だ。
しかもすごく珍しい種類だ。

ああ、あった。
なんだコレ!すごいぞっ!!
あっ!ベーコン。

フライパンの中の無惨な姿の焦げたベーコンを片付けて、ぼくはトーストさっと食べ牛乳で押し込み、苺と共に出かけた。
< 4 / 7 >

この作品をシェア

pagetop