鈴芽 ～幸せのカタチ～

『お嬢さんの意識は戻りましたか？』

スズメの父親が聞く。

『あ、意識はまだですが。足は少しのヒビと、
多少の打撲で済みました。
本当にありがとうございました。』

『よかった。
その言葉は目が覚めたら娘に言ってやって下さい。』

イチローは、自分とは違い、とても素晴らしい父親だと思った。

『行きましょう。』

聡子がイチローの手をとった。

理名の病室に着くと聡子が口を開いた。

『ごめんなさい。
きっと、スズメさん勘違いしたわね。
しかも、勘違いしたままこんな…。』

『やめろ。お前は何も悪くない。
お父さんも言ってただろ？
絶対に助かるから。』