あたしの好きな人



「…大丈夫かよ?」

「桃夜…ご、ごめん!」


あたしの下には桃夜がいて、桃夜が守ってくれたんだとわかる。


「謝んなよ…謝るのはこっちだ」

「桃夜…、なんで先に帰ったの?」

「悪い。気持ちが整理できてなかった」

「稜と、何かあったの?」



なんでか素直な桃夜も、何もかもわからなくて思わず質問攻めしてしまう。



桃夜は倒れたまま、床に仰向けになって目を閉じた。


あたしは桃夜の上にかぶさったまま、桃夜の次の言葉を待った。




「波奈はさ、俺の気持ち知ってるか?」

「…桃夜の気持ち?」

「つっても、分かるわけねーか」


…ちょっと今馬鹿にされた気もするけど


うん。



「俺の心臓、今ドクドクいってんの」


そう言って桃夜はあたしの手を心臓にあてる。


「お前が、ドクドクさせてんの」

「え?」

「お前が、ドキドキさせてんの」



ドキドキ…?


あたしが桃夜を?


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