あたしの好きな人



「まー、でも親父にはちょっと感謝してる」

「…え?どうして?」

「そりゃサッカー奪われたのは今でも許さねーけど、あの頃本当に勉強してなかったから…俺の為を思って言ってんのかなって」



…それは、そうだよね


子供のこと心配しない親なんかいない。



「それに、お前のおかげで…また絶対サッカーやってやるって決めてるし」

「そっか!…て、え、あたしのおかげ…?」



え、え、


なんであたし、桃夜に抱きしめられてるの?



「……波奈、さんきゅーな」

「と、桃夜?あたし、なにも…」

「結斗を追っかけ続けるお前見て、その勇気もらった。お前の言葉に勇気もらった」



あたしの…言葉?



「…結斗を好き、それに意味があるってな」

「………なんか照れるからやめてよ」



他人に自分の言ったこと言われると、照れるじゃん!


しかもその言葉!



「波奈、俺の心臓触ってみ?」

「…え?…うん」



そっと、手を触れてみる。


「心拍数すごいけど…大丈夫?」

「何が大丈夫だよバカ」


え?真面目に心配したんだけどな…


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