薬指の約束は社内秘で
「水ヨーヨーの姉ちゃんじゃん!?」

二つの声が重なって届く。
短いスポーツ刈りに日焼けした肌は、数ヵ月前に一度見た時より更に黒くなった気がする。

暗闇から姿を見せたのは、葛城さんと行ったお祭りで出会った男の子二人組だった。


「二人ともどうして、ここに?」

確か、彼らの家は隣町だったはず。
思わぬ人物の登場にベンチから立ち上がると、二人は鼻の頭を掻きながら白い歯を見せる。


「高良町で祭りがあるって言うからさっ」

痩せ型で背の高い男の子が得意げに笑うと、もうひとりのぽっちゃりした子が、「違うよ!」と声を張る。

「あっちゃん! 祭りじゃなくてパーティーだよ」

あっちゃんと呼ばれた子が「そうだっけ?」と首を傾げながら、ズボンのポケットからくしゃくしゃに丸まった物体を取り出す。
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