〜双子の憂鬱〜
「慣れないことをするから失敗するんです。
でも、社長はそういうことが未経験だから丁度良いですよ。
沢山凹んで悩んで落ち込んでください。」
書類を纏めファイルに挟むと、田辺は笑って続けた。
「なんだったら明日もお休みされますか?会長からたまには休ませてやれ、と仰せつかっておりますので。」
その笑みは冷ややかだった。
(この野郎、からかってやがるな。)
あからさまな態度にイラっとしながらも、出口へと向かい振り向く。
「そうだな、じゃあ全てお前に任せて旅行にでも行くか。」
慌てふためく田辺を残し、足早に家へと
向かう。
イヤな思いをさせてしまっただろう、由有の待つ家へ。