〜双子の憂鬱〜

「こんにちは、二宮さん。」


突然メールをしたにもかかわらず、彼は快く返事をくれた。
そして、友達と一緒だ、というあたしに『そのお友達も一緒においで』とランチのお誘いをしてくれた。


そして只今、敵場へと乗り込んだところだ。


「やぁ、ユウちゃん。こんにちは。そちらは?」


二宮は由有の後ろに立つ多恵をちらりと見て尋ねてくる。


「あたしの友達です。三津谷 多恵さん。」


そう紹介すると、満面の笑みで手を差し出した。


「ここのオーナーシェフやってます、二宮 陸です。」

握手しながらも多恵は顔を赤く染めていた。


(なんなの?!あたしの時と全然違う!!)


二宮の表情を見て唖然とした。


< 97 / 168 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop