叙情
「あー・・・まぁ・・・、って事で
番号言うよー?」


まぁ、って事での意味が分からないけれど
リオンくんの番号を言うと
それ以上、何も追求される事もなく
そのまま帰ってくれた。


「真弓ちゃんって
携帯持ってなかったんだ?」


「あ、うん。持ってない」


「なーんだ。俺
昨日、番号聞くの忘れてたから
今日聞こうと思ってたんだけど
まさか、持ってないとはなぁ・・」



「ごめん・・」



なぜか謝ってしまっている私。



「いやいや、謝らないでいいんだけどね」


笑われてしまっているし。



「もうすぐ3時かぁ。
家でテレビでも観ようか」


「うん」


ずっとニコニコしているリオンくんは
怒る事があるんだろうか・・・とすら思えてしまうほど
ずっと優しく可愛い笑顔を浮かべている。


リオンくんのアパートに帰り
テレビを観ながら
あーだこーだ話してるうちに
1時間経過してしまい


「真弓ちゃん、どうした?」


帰るタイミングが分からない私は
思わず、無口になって考え込んでしまっている。
< 130 / 264 >

この作品をシェア

pagetop