叙情
真っ赤になり
口をパクパクさせ
言葉すら出ない私に


「よし、機嫌直ったな」


そう笑い、また
子ども扱いするように
頭を撫で笑いかけてくる。


・・・悔しい。


こんな男に
ドキドキしてしまってる自分も
頬にキスされてうれしい自分も
真っ赤に熱くなってしまう頬も

すべてが悔しいけど

それよりも・・・・


「ったく、早く持って来りゃいいのに
おっせぇなぁ・・・
なぁ?ガキもそう思うだろ?」



そんな私に気づいてるのか
気づいていないのか

もしくは、気づかないフリをしているのか

何事もなかったかのように
そんな事を言う男が
憎たらしくもある・・・。


そして、その言葉のすぐ後に


小走りで走る足音と共に
人影が薄暗い砂利道が見え

思わず男の方を見ると


私に向けられた笑顔とは全然違う笑みを浮かべ
優しそうな顔で
走り寄ってくる人影の方を見つめていた。




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