叙情
2時間ほどグルグルと時間を潰す様に歩き

辺りも暗くなり始めた頃


もう帰っただろう・・・と


静かに玄関を開けると


キッチンに立つ母が

帰ってきた私に気づき


「ごはんできてるよ」


そう、いつものように迎え入れてくれた。



けれど、


靴を脱ごうと下を向くと

男性物の靴が

きれいに揃えられている事に

今更ながら気づき

一瞬、上がるのを躊躇ってしまったけれど・・・・


さすがに、もう逃げる事は不可能だ。



躊躇いながらも部屋へ入ると

並べられた母の手料理を
美味しそうに食べている男性の姿があった。

「陸、おかわりは?」


「んー・・じゃあ、少し」


「真弓?何ぼーっとしてんの?
座って食べなさい」


「うん・・・」


座り、用意されているごはんを食べるけれど


「ちょー・・・少しって言ったじゃん」


「そのくらい食べれるでしょ?」


「絶対、俺デブになるわー」


「その方が浮気の心配なくていいじゃないの。」


私の存在なんて無意味なんじゃないかって思ってしまう雰囲気に


「ごちそうさまでした」


やはり・・・

たまらず、席を立った。








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