On Your Marks…~君と共に~
「……澪…入るぞ。」
おじさんが先頭を切って澪の病室へと入っていった。
俺らも、そのあとに続く。
その瞬間、病室の窓から風が入ってきて、俺たちの入ってきたドアから抜けた。
「…お母さん……?」
確かにそこには澪がいた。
事故に会う前と何一つ変わっていない。
上半身を起こしてベッドの上に座っている。
窓のほうに向けていた顔をゆっくりとこちらに向けた。
何も変わっていない。
何も変わっていなかった。
だから一瞬疑ってしまう。