On Your Marks…~君と共に~
__『あたしがあんたの追い風になる』
ふと、どこからか聞こえた声。
その瞬間景色が一瞬にして変わる。
町から…真っ白な何もない光の空間へと…
なんだ…これ…
すると、現実にいるはずもない2人が俺の目の前に一瞬にして現れた。
「よう、久々だな、瞬。」
懐かしい、浜崎拓夢が片手をあげて、俺に向かって微笑む。
「なんだよ瞬。驚いた顔しやがって。」
その隣で、福田啓太がニコニコと笑っている。
「な、なんで、お前ら…。」
俺は手を伸ばして、2人に触れようとするけど、俺の手は2人には触れることはできずに貫通してしまう。
「無理だぜ、だってここ、お前の夢の中だかなら。」
そういって、啓太がバカにしたように再び声に出して笑った。
俺はただ唖然と、2人の姿を見る。
何も変わらない。