LOVEPAIN③
「なんかあったら連絡して。
いつでも、って訳じゃないけど、
助けてやるから」
成瀬は残っていたコーヒーを飲み干し、
ソファに置いてあったスーツの上着を掴むと立ち上がった
「お仕事に行かれるんですよね?」
自分の目の前の成瀬を見上げた
その身長差に、ドキッとする
「ああ。
悪いけど、あれ片付けといて」
横目で、そのマグカップを見る
「あ、ここの鍵どうしましょ?
ポストに入れときますね?」
「それは、お前が持ってたらいいから。
もし何かあったら、また勝手に来たらいいから」
「いや、でも……」
「でもじゃなくて、それでいいから」
「他人が部屋の鍵を持ってるって、成瀬さん嫌じゃないですか?
それに、本当に私が勝手いつでも来たら嫌でしょ?
だから、返しますよ」