LOVEPAIN③

「ただいま!」


そう須田に軽い口調で言われて、
床の上に座り身構えていた私は、戸惑う




「お、おかえりなさい」


須田の顔を見てみると、
左目の辺りがうっすらと痣になっている



昨日、成瀬にされたあれなのだろう……





「なに?広子?

そんなビクビクして」


そう笑う須田に、ますます体が震えてしまう




「あ、あの、須田、夕べどこ行ってたの?

連絡しようと思ったけど、友達と遊んでたりしたら悪いかな?って」


私は一か八かで、かまをかける



須田は夕べから居ないのだと信じて、

私は仕事を終えて、部屋へとちゃんと戻って来たのだと思わせる




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