LOVEPAIN③

「お前も来てたんだ?」


その男性は私達のテーブルの横に立つと、
成瀬に目線を向けている


その目線が、見下ろす形になるからかもしれないが、

見下しているような雰囲気を感じてしまう





「和真さんも、来てたんですね?」


成瀬はその男性の名前を、“カズマ”と呼んだ



少なくとも、今の段階では友達同士とは思えない




「俺の方は、春学の高等部の時の部活の同窓会で」


その和真と言う人物の言っている春学は、
春山学院の事だろう


幼稚園から大学迄が一環して有る、エスカレーター式の学校



確か、中学と高校が男子校だったような




ワゴンを押しながらウェイターの男性が、彼に近付いて来る




「失礼します。

こちら――」


そう言い切る前に、そのウェイターが手にしようとしていたワインボトルを、
和真は奪い取った


そして、成瀬の前にあった空のワイングラスに、
それを注ぐ



それは真っ赤で、
何故か、その赤い色がとても怖く感じた





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